「違い」を見つけられる子は、ぐんぐん伸びていきます。
教室に掲示している作品を見て、「先生のお子さんは、やっぱり上手ですね」と声をかけていただくことがあります。
今では教室に飾れるような作品を書けるようになりましたが、決して最初から上手だったわけではありません。私の子どもも、教室に通う生徒たちも、一枚一枚積み重ねながら、少しずつ力を伸ばしてきました。
そんな子どもたちを見ていると、書道を辞めずにコツコツと続け、その中で着実に上達してきた子には、いくつかの共通点があるように感じます。
今回は、その中でも特に印象に残っている3つをご紹介します。
1.悔しがれる子
思うように書けないと悔しくなる。
時には涙が出てしまう子もいます。うちの子も硬筆が書けなくて1人で泣いていたことがあります。
「泣いてしまうなんて」と思われるかもしれませんが、私はその悔しさこそが成長の力になると感じています。
悔しいということは、「もっと上手に書きたい」という気持ちがある証拠。
もちろん、泣けばいいということではありません。その悔しさを次の一枚に向けられる子は、少しずつ確実に上達していきます。
2.どこを直せばいいか自分で言える子
1枚書いた後に、作品をじーっと見つめ、
「ここが曲がっちゃった。」
「字が小さくなっちゃった。この線を長く書けばいいのかな。」
「かすれちゃう。どうすればいいの?」
などのように自分から話してくれる子がいます。
自分の字とお手本を見比べて、違いを見つけられているということ。それをアウトプットできている証拠です。
「何となく書く」から一歩進んで、「考えながら書く」ようになると、上達のスピードはぐんと上がります。
3.他の学年や大人の課題もよく見ている子
自分の課題を書き終えたあと、ふと隣の作品を見たり、高学年の課題に興味を持ったり。そんな子も意外と伸びます。
「先生! 課題交換して書いていい?」
もちろん、その子たちの課題が終わっていることを確認してから、「いいよ、書いてごらん」と声をかけます。
すると、「大にも全にも払いがあるね」「中学生にも山が出てきてる!文字数多いのかっこいい」と共通点が見つかり、同じ書き方を説明するいい機会になったりもします。
教室では集中して自分の課題に向き合う時間が何より大切です。
その上で、少しだけ寄り道をして新しい発見をする時間も、寄り道から生まれる発見も、子どもたちの成長につながっているように感じています。
「間違い探し」のポスター
日本習字から、時々「間違い探し」のポスターが送られてきます。
最初は「息抜きかな?」と思っていたのですが、そのうち別の意味があると気づきました。
間違い探しは、「どこが違うのか」を見つける遊びです。つまり、よく見て、比べて、違いに気づく力が必要になります。
書道も同じです。
お手本と自分の字を見比べ、「どこが違うのか」「次はどこを直そうか」を考える。この繰り返しが、少しずつ上達につながっていくのだと思います。
教室だからこそ生まれる学び
今回ご紹介した3つは、
- 悔しさを次の一枚につなげられること
- お手本との違いに気づき、自分で言葉にできること
- 周りの作品から学ぼうとすること
どれも特別な才能ではありません。
そして、「今日からすぐに身につく」ものでもありません。
悔しい思いをしたり、友達の作品に刺激を受けたり、先生と一緒に作品を見比べたり。そうした経験を積み重ねる中で、少しずつ自然と育っていくものだと感じています。
書道は、お手本を真似することだけが目的ではありません。
「どこが違うのか」に気づき、「次はどうすればもっと良くなるか」を考え、また一枚書いてみる。その繰り返しが、書道の上達につながっていきます。
通信でも、お手本を見て練習し、添削を受けることはできます。でも対面教室には、それだけでは得られない学びがあります。
自分のお手本だけでなく、年齢の違う子の作品を見たり、友達の頑張りに刺激を受けたり、先生が他の子にしているアドバイスを耳にしたり。
一人では気づかなかったことに気づけるのも、同じ空間で学ぶ教室ならではの良さだと思っています。
子どもは、お手本だけでなく、人からも学びます。
だからキツツキ習字では、一枚一枚の作品を書く時間だけでなく、子どもたちが同じ空間で学び合う時間も大切にしています。
これからも、子どもたちが「違い」に気づき、自分で考えながら成長していける教室でありたいと思っています。

